経済テロ
AP通信のTwitterアカウントが乗っ取り被害 – 偽ニュースで米市場混乱
Security NEXT – 2013/04/24
4月23日のニューヨーク株式市場では、ダウ平均株価が僅か2分間で140ドルを超えて急落した他、ニューヨーク外国為替市場でも一時ドルが売らるなど大混乱となりましたが、その原因は、AP通信の公式Twitterアカウントが乗っ取られて、「ホワイトハウスで2回の爆発があり、オバマ大統領が負傷した」という偽情報が投稿されたというものでした。
同社によると、乗っ取り被害に遭ったのは公式アカウントとモバイルアカウントでしたが、その前には同社のネットワーク内でフィッシング攻撃を受けていたということです。
一連の騒動については、「シリア電子軍」を名乗るグループが犯行声明を発表していますが、それを裏付ける証拠は見つかっておらず、FBIではハッキング事件として、このグループの関与も含めて詳しく調べるものとみられています。
「シリア電子軍（Syrian Electronic Army）」という名称は聞いたことがありませんでしたが、これまでにも米・英・仏や中東アルジャジーラ等各国報道機関などのサイトに、シリアのアサド大統領を支持するメッセージを不正に書き込みをしている「謎のオンライン集団」と言われているそうです。
ホワイトハウスがこれほど簡単に攻撃され、被害を受けたりするようなことはなさそうなものですが、ここのところ、ボストンマラソンでの爆発や、毒物入り郵送物などの事件が相次いでいることも、今回の騒ぎが大きくなった一因なのかもしれません。
それにしても、質の悪い流言・デマでさえ、一瞬とはいえ市場が麻痺させられてしまう、という現実を目の当たりにして、背筋が凍る思いをさせられたニュースでした。
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